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はじめて出待ちをしようとしたのが2014年4月。その時はとんでもなく緊張してどうしても話しかけられなくてただすれ違って、結局初めて声を掛けられたのは2014年5月23日。だいぶ遅めのお誕生日のお祝いをした。何話したか全く覚えてないけど、多分まともに話せてなかったろうな。

そこからご時世的に出待ちができなくなるまでの間の思い出とかを、時系列ばらばらに適当に記していきます。こんなことをしてすいません。許されたいです。


出待ちがいないと「僕の出待ちは…いないのかなぁ~…」と歩き回りながらブツブツ言っていましたね。
ファンみんなで出待ちしようとして待っていても、いざ井口さんが出てきても誰も近づかず「僕の出待ちかと思ったけど…」とすごすご戻ったり、怒って傘を振り回してくれたり(もちろん安全に)。すいませんほんと。

「○○(人気の人)もう帰ったけど待ってる人平気かな…?」とか「あっち側にも僕のファン待ってたりするかな…?」と、いつものようにお客さんにも気を遣っていましたね。こんなにも視野が広くて誰よりも優しいのに全然伝わっていない。不思議。

出待ちしていたら私の後ろの若い女性(学生?)3~4人のグループが、「思ってたより小さい!」とみんなで笑っていたことありましたね。気まずかったです。

「単独ライブやらないんですか」としつこく言い続けた頃、「もしやったとして、凄くいいメンバーのワラネタFULLとかと被っても来てくださいよ」って言われたの未だに思い出す。行くよ。(2015年くらい?)

バレンタインの時、こんな寒い中ありがとうございますとか、気をつけて帰ってくださいねとか、普段言われたことのないことを言われて嬉しビックリしました。GODIVAだったからですか。

ラブレ塚本さんとも一緒にお話させてもらった時、塚本さんに「決勝行くと思いますか?」と聞かれ、「行くと思います!」と答えたことあったな。井口さんには「予選通過したのにツイートしてなかったですよね」と詰められました。(2016年?)

年末に「出演したライブ本数全部数えたんですけど」と口を滑らしたら遂に「こいつマジか…」みたいな顔をしてくれて、感無量でした。

プレゼントしたカービィグッズ使ってくれてありがとうございます。袋もカービィなんですよ!と言いながら渡したら、「これは大切にしないとですね」と返してくれて優しかったな。

「僕ら金曜って何あるか知ってます?マネージャーにお願いしますって言われたんですけど、何のことか…」と聞いてくれましたね。頼ってくれてありがとう。知りません。

新ネタ面白いですね好きですM-1楽しみですとヘラヘラ言っていたら、「あのネタ、警察の悪口言ってるけど平気かな?」と笑っていたの好きでした。(2016年)

ぶちラジで着ていた服を「可愛い!」とツイートしたら、出待ちの時に「この服ね」とドヤ顔で見せてくれましたね。かわいい~。

ラジオの出演がピンかコンビか分からなかったから聞いたら、「あれ僕だけなんですよね。書いといてください」と『聴いて』じゃなくて『書いといて』なあたり、インフォ人間だと見られてて好きでした。

トッパレAで初めて優勝した時嬉しかったなぁ。今やってるネタなら勝てるだろうと買ったいいお菓子を「予測してお祝いを買っておきました!」とドヤ顔で渡したな。あんなに面白いのに客票が弱かったから、結果が出るとすごく嬉しかった。(2016年8月)

お誕生日会に我人祥太さん来てましたよね、お元気でしたか、私昔好きだったんですよと言っていたら「へぇ、あんな正統派のカッコいい人が好きな時期もあったんですね。若気の至りですね」と言われて笑っちゃった。若気の至り!? 
今だったら「井口さんは可愛い系ですもんね」と返したい。

「マンピンコンに出ますよ」と言われ「ネットのですか」と返し、「それはさすがに舐めすぎ」と怒ってくれましたね。舐めてないよ。

色々大変そうなので「あの~…元気に生きてくださいね」と声をかけたら「いやもう…無理だよ!何この生活!めちゃくちゃ嫌なんだけど!」と喚きだしたので、「私だって好きな芸人さんが電気止まっただの水道止まっただの言ってんの嫌ですよ!」と喚き返したことありましたね。出待ちってこれであってる?(2017年6月)

背くらべ(複数のゲストにネタ書いてもらうライブ)が大変大変とずっと言っているから、「○○さんが全組のネタ書くライブありますけどね」と言ったら「それとはまた違うから。僕も大変だから」と怒られました。すんません。

太が冒頭から思いっきりネタ間違えて私が笑って項垂れたら舞台上から「ウエストランドファンが頭抱えてるよ!」と言ってくれましたね。V-1の後列だぞ。

私が同時にカミナリも追っていたころ、たくみくんに「僕のファンがカミナリファンになってさぁ…」と例の絡み方してましたね。井口さんにだけ差し入れ用意していたから渡そうとしたら「本当に僕の!?」と即座に疑わないでください。

「リコーダー得意ですか?」って聞いてくれたことありましたね。テレビで吹くなら私なんかに聞いちゃダメですよ。得意だから教えますけど。

「他に出待ちの人いるかな…」「あの人たちそうじゃないですか?(綺麗なお姉さん2人組)」「そうかなぁ…?」「『井口さんこっち見た!』って話してますよ多分」「手振ってみるか……無視されたよ」「すいません、別の人のファンでしたね」
ほんとすいません。たくさんいるはずだといつも思っているんです。あと待っている人たちの前を一周させて誰にも呼び止められずに戻ってきたりとか、そんなんばっかやらせてすいません。

冬、あったかいカフェオレを自販機で買って渡したら「わーあったかい!買ったばっかだ!?」って反応してくれるの可愛かったです。

急に「テレビの企画で歯を治すかもしれなくて…」とポソポソ話し始め、「えー!テレビですか!すごい!そっか~歯を……でもテレビの仕事!嬉し~」と1人で盛り上がっていたら、「でもM-1中なんだよな…」「今みたいに喋れるかってのも不安で…」とウニャウニャ言っていましたね。治らなかったな。(2017年10月)

「関西弁だから面白く聞こえてるだけ」
「そんなことはなくないですか??」

ケープロアワードの出演本数の話で「来年は1位ですよ!耐久ライブもあるし!」と言ったら、「来年はテレビたくさん出るから、ライブそんな出ないもん」と返されたの、良かったです。(2017年末)

スベリ大賞を取ったことにご立腹で「滑ってるところばっか使われてたじゃん…あれで1位選ばれたら他ので1位ないと割に合わないよ!ヒドいよ!」とずーっとプンスコしてて、「ちゃんと『いつもはウケてるのに~』ってツイートしといてくださいよ!」と指令を受けたことありましたね。いつもウケてるもんな。

出待ち中に一緒におこたしゃべり見る時間ありましたね。(2018年)

よ~し褒めるぞ~!と意気込んでからの「あのネタやっぱりめちゃくちゃ面白いですね!」
「いやでもアンケート見たら、僕のアンチの…○○のファンとかがいるんでね…2点とか付けられましたよ」
「え~そんなこと…あ~○○ファン…そうか…」なんか某コント師のファンからめちゃくちゃ嫌われている時期あったな。

カービィ靴下履いてくれてありがとうございます」と言ったら「もう全部貰い物ですよ。靴もだし、時計と財布は小宮さんだし…」とわざわざ時計と財布も見せてくれたの、ハッピーになった。

ライブ2本連続の時に「2本目も観ますか?」と聞かれ、23時近くに終わる予定のやつだったから「いや明日仕事なんすよ!ムリ!」と答えたら「そういうもんかぁ。僕も明日フットサルだけど…」と返され、うん?となったが、なんか可愛いので許しました。

出待ちしてたら男性ソルジャーが寄ってきて、ディスカッションに発展したことありましたね。誰あれ。

ライブで太が露出した後、「河本さんにもう脱がないよう言ってください」「あ~…前も言ったんですけどね。言ってみてくださいよ」「河本さんとあんま喋ったことないんで急に言うのも…お願いしますよ」「あぁそうか。言いますけどね…いやでも言ってもらった方が」と『太への露出禁止令を押し付け合う時間』ありましたね。

「今年単独やらないんですか」(※まだこれを言っても怒られなかった時期)「やらないです。新ネタライブとかツーマンはありかも。ツーマンは…○○(人気芸人)とかとやるのは違うでしょ」「あっはっは!行かないっす」「その客で埋まるよね」
やらないだろうけど、今単独やったら会場どのくらいの広さになるんだろうなぁ。

企画で書いた今年の漢字(サイン入り)をライブ中にもらえて、出待ちで「これ持ってもらって写真撮ってもいいですか?」と聞いたら「嫌ですけど…」とちゃんと断ってくれましたね。怒っているところを写真に撮ったらそれにもまた怒ってましたね。すんません。

2019年3月に出待ちした時に、2016年7月のライブで爆笑を取った話をしていましたね。怖い。確かに取ってたけど。

連続でギャグしたりツッコミ入れ続けたり時間内にたくさんクリアしよう!みたいな企画の時、
井「こういうライブはなぁ…」

私「井口さんあんまりお好きじゃないですよね。ギャグとかモノボケとか」

井「まぁ、まぁ、あんまりね…。でも、」

「「ツッコミが!」」
ハモリましたよね。本当にツッコミが凄かったんだよなぁ。

大船ライブでカレー食べながら出待ちしてくれましたね。

太が出待ちしているのを見て、
私「河本派が甘やかすからダメなんですよね」
井「そう、『ああいうところが良い』みたいな風潮はダメ」
と一緒に「全て河本派のせい」にしましたね。
※冗談です

ひたすらゲームするライブでお客さんともスマブラやろう!となった時に推しとゲームするチャンスはそうないだろうと立候補して、井口さんをぶっ倒せたの嬉しかったなぁ~。8人中1位取ったのいい思い出。(2019年6月)

ライブ前後に他のお仕事があって出待ちできないくらいだったり、3ステ翌日主催ライブ翌々日準々決勝、さらにテレビの企画で身体を酷使(腕立て)していたみたいな時、それまでにないくらい参っていて「もう辞めたい、平穏に暮らしたい…」とげんなりしていた時期ありましたね。上手く元気付けたかったなぁ。

あらゆる方面への悪口を延々言ってからの
私「それは誰に向けて言ってるんですか?」
井「全員です」
の流れを一度の出待ちで2,3回やりましたね。

ランド開演後の初出待ち、見たことないくらい明らかに落ち込みまくっているから「アハハ!ヤバッ笑っちゃった!なんか元気ないっすね!?これ差し入れです!」とカルピス柄のタオルをプレゼントしたりしましたね。
その次の出待ちも引き続き死にそうな顔して「もう嫌だよ…誰にも会いたくないよ」としょぼしょぼしてるから「知らないですよ!自分でどうにかしてください!」と笑ってごめんね。心配でしたよ本当に。

私が人との会話がド下手くそなこともあり出待ちで笑顔を見られることは少ないけど、思わず悪口に乗っかったら声出して笑ってくれたことありましたね。本当によくない。

2回くらい。色々あってもう出待ちするのやめようと思ったことがありました。だけどいざライブを見ると誰より一番面白くて、どうしてもやめられなかったんです。

全然褒められない、悪口を書かれた、こんなことがあって嫌だった、出待ちがいない、人気がない、あれがムカつくこれがムカつく、誰も何もわかっていない。舞台から降りた後でも何度も何度も愚痴ってくれて、私はただ爆笑したり狼狽えたり励ましたりするだけだったけど、すごい贅沢な時間だったな。たまに良いことも教えてくれてありがとう。

M-1の予選は楽しいけれど、しんどいことの方が多かった。絶対に受かったと思っていたのに落ちた後、なんて声を掛けたらいいかわからない私に舞台そのままのテンションであらゆる愚痴を言ってくれましたね。少しくらい救える存在でいたいはずなのに救われてばかりだ。生きていてよかったと思わせてくれてありがとう。勝手にそんな重いこと思ってすいません。数年前、一番辛かった時に救われたのが事実です。

私は見た目や性格や能力が何か優れているわけでもなく、部活や仕事もすぐ辞めてきたし、長く付き合えている友人は数えるほどで、飽き性で怠惰で特になんもない人間です。それでもウエストランドをずっと応援できて井口さんのことを異様に好きでいる自分のことは結構好きで、いい人生だと思います。

またいつか少しでもお話しできたら嬉しいな。どうかお元気で。あなたなりの幸せを。全人類の中で一番面白いと心から思っているので、多分これからもずっと好きで~す。

おわり

きたいひがんじまん

2017年。準々決勝でとんでもなく大ウケして、準決勝進出どころかハッキリと決勝に立つ姿を思い浮かべてルンルンで発表を待ったあの年。(もちろん推しに対してではなく)大会そのものに対して、あの日からどうにも期待できなくなっていた。大会に関する全てに対して、勝手に失望していた。


この2017年という年が極端にトラウマになっているので強調してしまうけど、もちろんその年以外の敗退に納得がいっているわけではないし、未だ飲み込めていない。なにが敗退だ。敗れているもんか。ただあの年に感じた、これでダメなら一体どうすればという絶望感を、どうにも拭える気がしなかった。

どの賞レースの予選を観るのも大好き。その年の一番面白いネタをぶつけてくれているだろうし、普段見れない人も見られてどんどん好きな人を増やせる場だから。でも結果発表はずっと嫌いだった。だ〜っいきらい。笑わせたくてお笑いやってる人と笑いたくてお笑い見てる人が一斉にドン底に落ち込んでいるから。何回やっても推しが最後まで残らない事実がとんでもなく辛くて、発表なんかしないで楽しいまま終わろうよって何回も考えていた。言うまでもなく、好きな人たちが勝ち上がって嬉しくて興奮することは多くあったし、大好きな決勝戦だってたくさんあるけれど。

不合格=面白くないってわけじゃないから落ち込まないで、と言って素直に飲み込んでもらえるほど小さい場じゃない。結果に納得いかないし誰より面白かったよ、と大勢の人が言ったからといって現実としての結果が覆るわけじゃない。あのドでかく煌びやかな大会の前で、ファンの必死の言葉はどうにも無力だ。何回もライブに通ってアンケートで褒めて出待ちで褒めてツイッターで褒めたところで、一個も伝わんないんですよ。(伝わんないんですよ〜っていう泣き言に、ちゃんと伝わってますよって返してくれるんですよね。やさしい人なので)

というか、伝わんないっていうか、伝えられないんですよ。なんで落ちるの?って聞かれても、私にはわかんないもん。面白くて好きなだけなので、なーんもわかんないんですよ、私。

なーんもわかんないままで、毎年毎年ただ応援していた。頑張りますって言うから頑張って欲しかったし、決勝にいきますって言うから決勝にいって欲しかった。それだけでした。大会に対して期待することをやめたって冒頭から偉そうに書いたけれど、私がお笑いファンとして生きている限り、期待を0になんか到底できないんですよね。好きな人が目指すステージを、現実のものにしたくてしょうがなかった。


難しいことはわかんないしお笑いには詳しくないし、賞レースの予選を見てもあーみんな面白いなーと思っているだけ。いつもそんな感じだから、予選の動画が上がりだした頃に「今年はあるぞ」という声がこれまでより極端に多いことに気がついて、そこでようやくあっ今年はなんか違うんだ……と思い始めた。

2年前に準決勝まで上がった時、「推しが決勝にいく可能性があるのヤバくてヤバい」と思っていたけど、今年はそのヤバさの質量が比べ物にならないくらいにデカすぎた。ダメだった時の辛さが増すだけだから期待するのやめようよって気持ちすら削がれて、何度も何度も何度も何度も名前を呼ばれる彼らの姿を夢想した。ガッツポーズするんだろうな。私は泣いちゃうんだろうな。浅い想像しか出来なかった。


準決勝ライビュのネタ終わり、結果発表まで少しの時間があった。頭ん中がごっちゃごちゃの助けてくれ〜〜って感じだったので、待つのが数十分なのがせめてもの救い。横の友人にモニャモニャと心の内を聴いてもらったり、勝手にやっている情報アカウントに載せる用のツイートの下書きを整えたり、カルピスとカフェオレ(どっちも推しの好物)で迷って買ったカルピスを飲んだりした。

毎年予選中にスマホのメモに事前に作っておいている、“勝ち上がりました次は何日です”の文章。敗者復活の時間もメモしていたけれど、一瞬考えてから削除して、受かった時にツイートするものだけを残した。そんなもんで結果が変わるわきゃないけど、あの瞬間に落ちる可能性を数ミリでも考えていたら絶対に駄目だと思った。ファンが信じなくなったら終わりだと思っていた。 


結果発表。記憶した4桁の数字を頭の中で何度も唱えた。エントリーナンバーの近い芸人が2組呼ばれ、全く生きた心地がしなかった。お願いしますお願いします私はこれからどんな苦痛も受けますからどうか今年は。3473、と並んだ時点で多分大声が出たと思うけど、あまり記憶はない。横の友人が私の方を向いているのがわかるけど画面から目を離すことができなかった。ハグもハイタッチもするわきゃない、いつも通りのふたりが大きな画面に映し出されていた。

今のところ人生で嬉しかった瞬間第一位に輝くあの日のことは、ずっと忘れないんだろうなと思う。まだツイートやテレビに不意に彼らの姿を見つけては現実だもんなと一呼吸おいて、決勝ステージを想像してはニヤニヤしたり奇声をあげたりしている。公式から与えられる画像やインタビューの数に、決勝と準決勝の差をまざまざと感じている。あとみんなが私に送ってくれたおめでとうを何度も読み返して、嬉しい気持ちになったりもしています。そんなこともないと思っていたんだけど、なんか多くの人が彼らから私のことを思い出してくれたみたいで、結構長いことファンやってたんだなと実感したりとか。別に私くらいのファン他にもいるんでしょうけど、私の声がデカいんでしょうね。



これからどうなるかわからないし、どうなったってあの人が心から満足することはないしこっちの応援がピタッと噛み合うこともないんでしょうけど、もうそれでいいんだろうなと思います。そういうもんなんでしょう。そういうもんだから私は何年も大好きなんでしょうね。ファンがいるよってことをたま〜〜〜〜に振り返ってくれれば、それ以外はもう喜び嬉しさ怒り悲しみ感情全部思うままに従って、生きたいように生きてほしい。なんとか振り落とされないようについていきたい。ついていきます。

いつだったか。ファンになったこと後悔させませんって言ってくれた。そんなもんしたことないし、これからもしないでしょうね。自慢させられるよう頑張りますって言ってくれた。有り難く自慢させてもらっているし、これからもっとそうするんだろうな。

ウエストランド面白いでしょ。私、ずーっと大好きなんです。これからもね。